お金の基礎知識

2016年02月08日

外国に投資するのは 殖やすため、守るため、実感するため。

 10年前は、「外国への投資は敷居が高いから、やりたい人だけやればいいかな」と、少しだけ思っていたんだけど、もうそんなことは言ってられなくなった。

 ひとつは、長く日本の株式が停滞していて、そんな中で投資の利回りをプラスにするには、外国への投資が必須になったから。

 もうひとつは、「円安」になることで、円の資産(円の預金、日本の株式、日本の不動産)の価値が下がってしまうリスクがどんどん大きくなったから。

 2012年に、円と米ドルの為替レートは1ドル=80円から、105円くらいに大きく変わった。私はちょうど、その頃アメリカにいたが、日本の貯金や株が(円ではそんなに変わらないけど)ドルに計算し直したときに、20%も30%も減ってしまって唖然とした。その後2015年に1ドル=124円までいくとは、想像もできなかった。

 海外の金利が高いから外貨預金、海外の株が上がっているから外国株ファンド、というのも正解だ。つまり殖やすため。

 でも、円安や日本の株安のときに、資産を減らさないため、外国に投資するのも重要。資産を守るためだ。いつ円安になるか、いつ株安になるかわからないから、円高のときも株高のときにも、外国に投資する。つまり、守るため。  

 もうひとつ、海外に投資する大きなメリットは、世界の経済の動きを肌で感じられることだ。

 外国に投資していると、為替レートや外国の景気の変化で、自分の財産が減ったり増えたりするのがよくわかる。日本株式のインデックスファンドを持つと、日本経済の動きが実感できるように、外貨預金/外貨MMFに預けると、円と外貨の関係(つまり相対的な経済力の変化)を生々しく感じることができる。外国株式に投資すれば、その国の経済を体験できる。

 これは、ものすごいスピードで変化している世の中を生き抜くのに、欠かせないことだと思う。世界で二番目の経済大国だった日本は、中国やインドなどの経済成長で、世界で占める地位はどんどん小さくなっていく。

 自分の国の通貨や資産だけ持っていれば大丈夫、という時代は終わってしまったと思う。

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