お金の基礎知識

2019年08月07日

オフショア投資の勧誘に注意!つみたてNISAの方がずっといい

 

 

教会の20代の友人から

「中村さん、オフショア投資を勧められたんですけど、どうですか」

と尋ねられた。ええっ、20代の女の子がオフショア投資とは。

—–どんな投資なの?

RL360といって、海外の投資信託積み立てる商品みたいなんですけど」

—–でも、投資信託ならわざわざオフショアを使わなくても、日本でできるじゃない

「でも、海外の方が利回りがずっといいって聞いたんです。税金もかからないし、手数料も安いって聞いたんです」

Off Shore image ship

—–ふうん。日本で投資信託を買ったことはある?

「いえ、ありません」

—–いまは、日本でも世界中の国に投資する投資信託が買えるの。手数料もぐんと安くなってる。少額から買える。いつでも積立を辞めたり増やしたり減らしたり引き出したりできる。オフショアではできないでしょ?

「よくわからないけど、たぶん、できないかもしれません」

—–仕組みがよくわからなくて投資するのはあぶないよ。海外の方が利回りがいいっていうのも、セールストーク。ファンドマネージャーが運用するアクティブファンドよりも、株式指標なんかのインデックスに連動するインデックスファンドパッシブファンドとも呼ぶ)やETFの方が、長い期間で見ると、結局は手数料が安いこともあってパフォーマンスが高い

「そうなんですか」

—–ええ、だから過去の成績がいい投資信託を選ぶより、手数料の安いバンガードのインデックスファンドや、ETF を買う方が結局は運用成績はよくなるはず。同じ市場の中からどのファンドを選ぶかより、どの市場にどのくらい配分するかを決めることの方が大切。

「配分するって?」

—–たとえば、日本株に30%、アメリカ株に30%、アジア株に20%、海外債券に10%、海外REITに10%とかね」

「でも、オフショアだとヘッジファンドも買えるって聞いたんですけど」

—–ヘッジファンドは、高利回りの時もあるけど何分の一かに値下がりするリスクもある。値下がりしすぎて解散になることもある。リスクが大きすぎるからやめたほうがいい」

「そうなんだ」

—–まずは、つみたてNISAを始めてみて。銀行か証券会社で口座を開いて、2、3銘柄選んで、1万円ずつで積立てる。それで投資信託のことが理解できたら、iDeCoを始めてもいい。これは「所得控除」があるから、投資が全然値上がりしなくても節税分で十分に元がとれる。ただ、引き出せるのが60歳以降だから、40歳くらいから始めるのがちょうどいい。20代30代から始めるなら金額を少なめに」

わかりました。じゃあオフショアはやめます。つみたてNISA始めます」

 

アドバイスを聞いてくれてほっとしました。日本での投資経験がないのに、いきなりオフショア投資に手を出すのはぜったいにダメ!投資は段階を追って学んでいくものだから、自分でコントロールできる範囲で、身近なところから、少額で始めるのが鉄則。

次回は、オフショア投資の欠点、気をつけるべきことについて具体的にお話しします。

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