オフショア投資の勧誘に注意!つみたてNISAの方がずっといい
教会の20代の友人から
「中村さん、オフショア投資を勧められたんですけど、どうですか」
と尋ねられた。ええっ、20代の女の子がオフショア投資とは。
—–どんな投資なの?
「RL360といって、海外の投資信託に積み立てる商品みたいなんですけど」
—–でも、投資信託ならわざわざオフショアを使わなくても、日本でできるじゃない
「でも、海外の方が利回りがずっといいって聞いたんです。税金もかからないし、手数料も安いって聞いたんです」
—–ふうん。日本で投資信託を買ったことはある?
「いえ、ありません」
—–いまは、日本でも世界中の国に投資する投資信託が買えるの。手数料もぐんと安くなってる。少額から買える。いつでも積立を辞めたり、増やしたり減らしたり、引き出したりできる。オフショアではできないでしょ?
「よくわからないけど、たぶん、できないかもしれません」
—–仕組みがよくわからなくて投資するのはあぶないよ。海外の方が利回りがいいっていうのも、セールストーク。ファンドマネージャーが運用するアクティブファンドよりも、株式指標なんかのインデックスに連動するインデックスファンド(パッシブファンドとも呼ぶ)やETFの方が、長い期間で見ると、結局は手数料が安いこともあってパフォーマンスが高いの
「そうなんですか」
—–ええ、だから過去の成績がいい投資信託を選ぶより、手数料の安いバンガードのインデックスファンドや、ETF を買う方が結局は運用成績はよくなるはず。同じ市場の中からどのファンドを選ぶかより、どの市場にどのくらい配分するかを決めることの方が大切。
「配分するって?」
—–たとえば、日本株に30%、アメリカ株に30%、アジア株に20%、海外債券に10%、海外REITに10%とかね」
「でも、オフショアだとヘッジファンドも買えるって聞いたんですけど」
—–ヘッジファンドは、高利回りの時もあるけど何分の一かに値下がりするリスクもある。値下がりしすぎて解散になることもある。リスクが大きすぎるからやめたほうがいい」
「そうなんだ」
—–まずは、つみたてNISAを始めてみて。銀行か証券会社で口座を開いて、2、3銘柄選んで、1万円ずつで積立てる。それで投資信託のことが理解できたら、iDeCoを始めてもいい。これは「所得控除」があるから、投資が全然値上がりしなくても節税分で十分に元がとれる。ただ、引き出せるのが60歳以降だから、40歳くらいから始めるのがちょうどいい。20代30代から始めるなら金額を少なめに」
わかりました。じゃあオフショアはやめます。つみたてNISA始めます」
アドバイスを聞いてくれてほっとしました。日本での投資経験がないのに、いきなりオフショア投資に手を出すのはぜったいにダメ!投資は段階を追って学んでいくものだから、自分でコントロールできる範囲で、身近なところから、少額で始めるのが鉄則。
次回は、オフショア投資の欠点、気をつけるべきことについて具体的にお話しします。