お金の基礎知識

2018年03月24日

イースター(復活祭)『十戒』『Prince of Egypt』過越の祭

2018年3月24日の日経新聞。『ハリウッド映画と聖書』の書評で、筆者がアメリカ在住の頃、イースターが近づくと毎年チャースルトン・ヘストン主演の映画『十戒』がテレビで放映されて、テレビで宗教教育かとうんざりした。という記載、間違ってないけど、ちょっと外れてるかも。

キリスト教では、クリスマスと並んで大切なお祭りの「イースター」日本ではあまり知られてません。クリスマスはイエス・キリストの誕生を記念する日(実際の誕生日ではない)。イースターはイエスの復活を祝う日。日本語では『復活祭』。なに、イエスの復活って? というのが、たいていの日本人の反応かもしれないけど、新約聖書によると、キリストは金曜日に十字架にかけられ、その日のうちに墓に入れられ、日曜日に生き返った(復活した)とある。その日が今年は4月1日(日)。世界中のキリスト教会で祝われる。

「復活? まさか、そんな非科学的なこと、いまどき信じてるわけじゃないでしょ」と思うかもしれないが(私も思っていた)、でも、この復活こそがキリスト教の本質で「キリストの復活がなかったら、作り話だったら、私たちクリスチャンは世界中でいちばん惨めな存在だ」って、パウロという人が語っている。この人は「キリストが復活した」というメッセージをし続けたため、ローマで処刑された。これは動かしようのない歴史的事実。

では映画の『十戒』とは何か。これも日本人にはわかりづらい。キリストから遡ること1500年、エジプトで400年間奴隷だったユダヤ民族数百万人を、モーセというリーダーがエジプト王ファラオと対決して脱出させた旧約聖書の話だ。脱出後に「この出来事を記念して 毎年Pass Over (過越の祭り)を祝いなさい」と神から命令される。
で、キリストは(ユダヤ人だから)過越(すぎこし)の祭を祝い、その食事をした後(この食事が有名な「最後の晩餐」)、木曜日の夜に捕まって裁判にかけられて、翌朝死刑になった。

はい、まだよくわからない人は、もう一度読んでください(笑)。

今年(2018年)の過越の祭りは、3月30日の夜から8日間。ユダヤ暦(陰暦)で時期が決まるから少しずつずれるけど、だいたい毎年3月後半から4月前半。この約3500年前にスタートした祭をユダヤ人は今も祝っています。すごくない???? すごいよねー。これを知った時は大感激でした。

で、何が言いたいかというと、イースターだから「十戒」を放映してるんじゃなくて、過越の祭だから、3500年前のユダヤ民族のエジプト脱出を描いた映画を見せてるんだよってこと。


このあたりを知らないと、海外の人たちと話す時に「教養なし!」と思われてしまうかも。英語だけ勉強しても国際人にはなれません。ぜひ、この機会に聖書を学ぼう。もちろんテキストはこれ。

『新版3日でわかる聖書』中村芳子著。面白いよー
もうひとつ。『十戒』も悪くないけど、同じテーマのアニメーション『Prince of Egypt』は、はるかに面白い。モーセは実はエジプトの王子だったんですねー。これもぜひ観てください。

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