お金の基礎知識

2018年07月11日

入籍していません。生命保険の受取人になれますか?

一生涯のお金の相談パートナーが見つかるウェブサイト FPCafe のご相談に回答しました。

相談者 さと子さん26歳(会社員 育休中) 夫26歳(会社員)

▼相談内容 
子どもが産まれたので、夫にもしものことがあった場合のために生命保険に入りたいと考えています。 
しかし、諸事情により婚姻届を出しておらず、住民票も別なので、受取人に私や長女を指定できるのか分かりません。また、遺族年金等がもらえるのかも分からないため、保障金額をいくらにすれば良いのか困っています。 
インターネットでは事実婚の場合の保険選びについて情報がなく、どのように調べたら良いか当てがない状態です。

▼ファイナンシャルプランナー中村芳子のアドバイス

さと子さん、事実婚で、長女を出産、万一に備えて、彼に生命保険に加入してほしいけれど、それが可能かわからない、というご相談ですね。事実婚のカップルは増えています。私も何組かの相談を受けたことがあります。

この場合の取り扱いは、生命保険会社によって違います。原則、婚姻届を出した夫婦でないとパートナーを保険金の受取人にできない会社もあれば、同性婚を含む事実婚でも、パートナー保険金受取人に指定できる会社もあります。

前者の場合も、一度、親などを受取人にして保険を契約した後、保険金受取人を変更するという方法で、パートナーを受取人にできる会社もあります。

法的な婚姻関係にある夫婦でないと、互いを受取人にできないのは、モラルリスク、つまり生命保険金目的の殺人や詐欺を避けるためです。なので、セオリーとしては、1)二人が事実上の婚姻関係にあり、2)生計を一にして、3)共同で助け合って生活している ことが証明できれば、保険の契約は可能なはずです。

これは、遺族年金にも当てはまります。婚姻届を出していなくても、事実上夫婦として生活していたことを証明できれば、事実婚の妻とその子も遺族年金を受け取ることができます。ただし、彼に法律上の妻が別にいる場合は、彼女が年金を受け取るので、事実婚の妻は受け取れません。

さと子さんが育休から復帰して仕事を続ける予定なら、死亡保険金額は、子の大学進学費用(ひとりあたり1000万円目安)で十分です。母と子の分の生活費は、さと子さんの収入+遺族年金でまかなえるからです。仕事をやめる場合、遺族年金がもらえない場合は、大きな額の死亡保障が必要になります。

さと子さんのご相談で気になるのは、住民票が別ということ。同居しておられないのでしょうか。それとも同居しているけど、何かの事情で一方の住民票の住所が別のところになっているのでしょうか。一緒に生活していたことを証明できないと、遺族年金の受給は難しくなります。郵便物や光熱費の支払い票で、同居していたことを認めてもらえるといいのですが、確実ではありません。婚姻届は出さなくても、住民票実態に合わせておくことをお勧めします。

また、彼はお子さんの認知はしていますか? これをしていれば、生命保険、遺族年金とも、よりスムーズにいきますが、それ以上に、お子さんの人生全般に関わることです。認知がされてないと「私は父親に愛されていない」と低い自己イメージを持って、長く苦しむことにもなりかねません。教育にお金をかけても、よい学校に行きよい就職をしても解決できません。もし、まだでしたら、1日も早く届け出を出されることを強くお勧めします。

中村芳子 ファイナンシャルプランナー 有)アルファ アンド アソシエイツ

 

 

 

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