FIRE より FINER 生涯現役 Financially Independent and Never Ritire
世の一部の若者たちが、「早くお金を貯めて投資の運用益で暮らせるようになって、早期リタイアしたい!」と願っているらしい。
あらまあ。45歳で退職したとして、残りの50年60年をどうやって過ごすんだろう。
コロナが収まったとして、1年か2年は世界中を旅行したら楽しいかもしれない。でも誰と?一緒にリタイアする、同じ趣味のパートナーがいればいいけど。
FP相談には、働かなくても一生暮らせるだけの資産がある方も来られる。その方たちが何をしているか? 働いている。働き方は様々だけど、自分の能力を使って働いて、人のため家族のため社会のためになり、人に喜ばれ、対価として報酬をもらっています。
早期リタイアしたいという人に、リタイア後はどうするの?と尋ねると、多くの人が「のんびり過ごしたい」「好きなことをして暮らす」と答える。
私のアドバイスは「リタイア後ではなくて、現役でそれができる暮らしを実現しましょう」。
「リタイア後は、ボランティアをしたい」という人もいる。「どんなボランティア?」「わかりません」「では、いますぐボランティアを始めてみましょう」。残念なことに日本では、退職後にボランティアで生き生きしている人にはあまりお目にかからない。生きがいあるボランティアを見つけて働き続けるのは、有償の仕事を続けるより難しい。
10代20代の男女が「結婚」「結婚式」を人生のゴールと勘違いしていることがある。経験者は知っているが、結婚は結婚生活のスタートだ。その先が長い。
「早期退職」も同じ。ゴールではない。新しい生活のスタートだ。何をして生きるか。これが定まってなかったら、本当にしたいことがなかったら、やり続けられなかったら、時間を持て余すだけ。友達もいなくなるかも。
私が理想とするのは、FIRE(経済的自立+早期退職)ではなくて、FINER(経済的自立+生涯現役)。Never Retired.
経済的な自立を手に入れたら、嫌な仕事で長時間働く必要はない。好きな仕事でゆとりをもって働けばいい。
- 生涯現役のためには、いくつか条件がある。
- 好きな仕事であること。
- 楽しく働いていること。
- 仕事が発展して、広がっていくこと。
- 勉強を続け、成長し続けること。
- 家族や家族に代わる人間関係があること。
- あらゆる年代のさまざまな背景の友人がいること。
- コミュニティーに属していること。
- 健康であること。
- 精神的、霊的な豊かさを持っていること。
昨日、知人の女性が70歳で、看護師として勤めた病院を退職した。職場の多くの人から惜しまれ、感謝され、涙ぐむ人たちもいたという。抱えきれない贈り物を受け取った。これからは、請われて、介護関係の仕事を週3日くらいするそうだ。リタイアは「まだまだ先ね」と笑っていた。持ち家はあるし、夫婦の年金で十分に暮らせるのだけどね。
FIRE と FINER、どちらを目指すかで、あなたの今の生き方が変わってきます。