快適な空間から出なさい!Get out of your Confort Zone!
先日、40歳の独身女性からのFP相談を受けた。
すらりとした爽やかな印象で、道ですれ違ったとき、女性でも男性でも、思わず振り返ってしまいそうな魅力がある方。
収入もある、貯金もある、経済的な心配は大きくないが、これからどう働いていくか、どう生きていくかに漠然と不安を感じるとのこと。結婚はしたいけど、今のところ恋人はいない。婚活サービスにも登録はしているが、積極的には活動していない。
似たような状況の女性がたくさんいる。みな、素敵な女性たち。
ただ、彼女たちに共通している問題、課題がひとつある。仕事以外の世界がほとんどないこと、薄いこと。
社会に出て10年、15年とたつと、ひととおりキャリアを積んだ人は一定の収入があり、貯金もでき、結婚しなくても生きていける経済力がつく。これは、とてもいいことで、必要なことだ。
ところが、多くの女性が(男性も同じ)、仕事が忙しくて、仕事以外の世界を築けないでいる。平日は会社と家の往復でおしまい。休日に家事をこなし、出かけるときもひとりだったり、決まった友だちとだけ。ジムに通ったり、趣味を持つ人も少なくないけど。
うーん、充実してないとはいわないけど、これだと世界は広がらない。むしろ少しずつ縮んでいってしまう。
5年、10年、15年かけて、自分が心地よく働ける、休める、暮らせる領域を築いたのはいいけれど、その快適空間、Confort Zone にとどまっている限りは、あなたの成長はとまって、人間としての柔軟性や変化への適応力はどんどん鈍くなってしまう。これは危険信号。
40代50代の、平均より上の、いわゆる成功した人たち(女性も男性も)に、こういう人たちが多いよう。
年金も退職金も貯金もあるから、今も老後も経済的な心配はほとんどないけど、いまの人生を退職まで続けて満足? 退職後は何するの? ときかれたときになかなか答えられない。
アメリカで暮らした時、高校でも大学でも、教会でも、「Don’t stay in your comfort zone. You have to get out of it. 」というメッセージをよく聞いた。それは「Take Risk」にも繋がっている。
小学校の壁に、今月の目標として「Take Risk」のポスターが貼ってあっておどろいた。日本の「挨拶をしよう」とは大違いだ。
あなたは、自分の快適空間に長年とどまっていませんか?
去年、何人の新しい友だちができましたか?
去年、何の新しい勉強や活動を始めましたか?
去年、いくつの新しいことにチャレンジしましたか?
これは、直接お金のアドバイスではないが、あなたがいま、持っているリソース(お金、仕事、能力)を生かして、もっと充実した人生を送り、そしてまわりの人たちも幸せにするためには、欠かせないこと。お金はそのためのひとつの道具なのだから。
中村芳子
アルファ アンド アソシエイツ