【シングル女性が住まいを買うとき、知っておくべきお金のこと.1】
女性FPとしてシングル女性の相談にも力を入れている。このテーマでリクエストを受けてこちらに寄稿たので、その前半部分をご紹介する。 これまでに、住まいを買いたい女性、すでに買った女性から受けたたくさんの相談にもとづいて書いているので、必ずお役に立ちます。=>こちら。
住まいを買うのは一大事業だ。昔むかし、昭和生まれの人たちは、家を建てて一国一城の主人となるのは男子一生の夢だと考えていた。
しかし、いまや「女も働け働け、結婚しても、子を産んでも、働き続けろ」といわれる時代。外では昭和生まれの男並みに働いて、家では家事や子育てをしろ、という社会の押し付けに、かしこい女は乗せられない。「結婚も、子どもも結構でございます。わたしはわたしで、自由に生きてまいります。」とかろやかに、ひとりで生きるを楽しんでいる。頼もしい。そして「自分の住まいを手にいれる」ことにも積極的だ。もちろん女も自分の住まいを持ちたいし、その気になれば手に入れられる。
ただ、いくつか気をつけることがある。売り手は売りたいもの売ろうとし、貸し手(銀行)はできるだけたくさん貸そうとする。甘い言葉でせめてくるが、間に受けてはいけない。しっかりと意思を持ち「女が家を買うセオリー」を知って、固い意志で実行することが大切だ。セオリーは次の通り。
セオリー1 買い急がない
セオリー2 売りやすい物件を選ぶ
セオリー3 新築ではなく中古
セオリー4 予算は年収の5倍まで
セオリー5 自己資金は年収分以上貯める
セオリー6 住宅ローンは年収の4倍まで
セオリー7 住宅ローンは65歳までに払い終わる
セオリー1 買い急がない
女の弱点のひとつが衝動買い。そして、服やバッグや靴と同じで、住まいもつい衝動で買っちゃう(!)傾向がある。金額が金額だから、間違うと困ったことになる。
多いのはモデルルームを見て、真新しい部屋、最新の設備にふらふらっときて、「いま住んでる冴えない部屋から脱出して、このオシャレな部屋に住みたい!」と契約してしまうケース。確かに部屋は新しくてきれいだけど、往々にして次のような問題が、、、
- 立地が悪い 通勤や買い物、生活にいろいろ不便。てことは、売りにくい貸しにくい。
- 価格が高すぎる 新築物件は広告販売費が上乗せされるので割高。つまり、すぐ値下がりする。
- 狭すぎる モデルルームは広めに見えたけど、実際に住んでみると収納も少なくて狭い!住みにくい!友達も恋人も呼べない!
- 資金プランが危ない 自己資金が少ない、ローン借りすぎなどで、買った後にアップアップのビンボー生活。最悪のケースは住宅ローンが返せず自己破産。
こんな目に遭わないためには、ぜったい衝動買いはせず、物件選びや資金プランを慎重に。それから、仕事も収入もライフスタイルも安定していない35歳以前に買うのも危険。40歳前後で買うのがベストだ。
セオリー2 売りやすい物件を選ぶ
女の人生は変化が多い。当面、いまの仕事と暮らしを続けるつもりだったのが、旅行先でイタリア男と恋に落ちたり、エベレストに登りたくなって仕事をやめたり、NYでミュージカルを勉強したくなったり、自然派男と日本の山奥に移り住むことにしたり。
そんなとき、買った住まいが足手まといになってはつまらない。動きたくなった時に、(1)すぐに売れる(2)そこそこいい値段で売れる、物件を選ぶべし。
「住まなくなったら貸せばいい」は新築マンションを売る側の殺し文句だが、貸しても家賃収入が住宅ローンに足りないケースが多いし、ほかもいろいろ面倒。潔く売るのが手っ取り早い。売れる物件を買う、これ鉄則。
セオリー3 新築ではなく中古を
女は新しいのが好き。でも最近はメルカリでオークションで、中古の服や靴やバッグを買う人も増えてきた。いいことだ。ただ、使いかけの化粧品を売る人、買う人のことはいまひとつ分からない。
絶対覚えておくべきは、新築マンションはべらぼうに高い、ということ。新築マンションの広告を見たら(モデルルーム)を見学したら、同じ駅で同じ広さの中古マンションの値段を調べてみよう。新築が2DKで3000万円なら、中古は2000〜2400万円くらいあるはずだ。3000万円で買ったマンションに引っ越して、何かの事情で1年後に売ろうとしたら、2400万円でしか売れないということだ。わかる?
つまり新築は、すぐに大きく値下がりする。私の知り合いで不動産関係の仕事をしている人は、例外なく全員中古の不動産(マンションも一戸建ても)を買っている。もちろん、私も。いまどき、できあいの一戸建てを買うより、中古を買って自分好みにリノベートするのがオシャレ。新築は鼻にもかけないのが正解だ。
つづきのセオリー4から6は、次の機会に。
住まい購入のご相談は、お気軽にこちらからお問い合わせください。力になります。