「結婚に備えて、カードローンの借金を整理したい」というご相談
FPcafe でのこのご相談に回答しました。
相談者:31歳女性
「前職在職中に鬱になり、休職して退職しました。その後数年、アルバイトなどで生活していましたが、生活費が足りずカードローンで借金を重ねてしまいました。病気も良くなり、今年正社員の職に就き、収入が増えました。しかし、毎月の借金の支払いが月に48,000円ほどあり苦しいです。
数ヶ月前にプロポーズされ婚約しました。新生活に向けて借金を少しでも早く返し、貯金を増やしていきたいと考えています。「おまとめローン」などにすれば、返済が楽になると聞いたのですが、どうなのでしょうか。」
中村芳子の回答
彼にプロポーズされて婚約、来年には結婚とのこと、おめでとうございます。アルバイトから正社員になれたのもよかったですね。こちらもおめでとうございます。
その前に収入が減った期間があり、生活費の不足を補うためカードローンを借りてしまいました。その問題を解決したいとのこと。すばらしい。結婚準備にとても大切なことです。
おまとめローンは積極的には勧めていませんが、ご相談者の場合は、やむをえないと思います。(親から借りることができれば、借用証書をつくってそちらをお勧めします)
必ず、複数の金融機関に問い合わせてください。一般に銀行ローンの方が金利が安く、消費者金融のローンが金利が高いので、まず銀行ローンを複数あたります。。
銀行のおまとめローン(またはフリーローン)は銀行によって年収基準が400 万円以上など高めのところもあります。しかし、そうでない銀行もあります。ようこさんは正社員で年収も300万円前後はありそうなので、融資してくれる銀行は必ず見つかるはずです。根気強く探してください。いま借りている銀行のカードローンの上限、金利などの条件も調べてみましょう。
銀行ローンは、消費者金融に比べて審査や融資に時間がかかるという特徴があります。しかし、数パーセントの金利の差はとても大きい金額の差になります。100万円を18%(上限)~10%で借りた場合の返済額(60回返済・元利均等)は、かなり違います。
金利 毎月の返済額 総返済額
18% 25,393 1,523,573
15% 23,789 1,427,340
13% 22,753 1,365,180
10% 21,247 1,274,820
ですから、審査や手続きに1ヶ月長くかかるとしても、金利が1%でも低い借りかえ先を探すことが大切です。10%以下で借りられる可能性もあります。
それ以外の借りかえのポイントは以下の通りです。
・借入額はできるだけ少なくする。いまの借入総額を絶対超えない。
・返済方法はリボ払いではなく「元利均等払い」にする。(リボは返済がなかなか終わらない)
・返済期間は、できるだけ短く設定する。そのためには自分が毎月いくら返済できるか、無理のない上限を知ること。
・今後、追加の借入はぜったいにしない。
・消費者金融のカードは返済終了後すぐにハサミを入れて解約する。
・新規で借入をしなくてすむように、月1万円ずつでも貯金を始める。
・返済終了後はカードを解約する。
<ディスクロージャー、情報開示のすすめ>
また、結婚する彼には同居する前まで、できれば今年中に、ローンが残っていること、その残高、毎月の返済がいくらで、いつ終了するかということを、知らせておきましょう。これから家計を共同運営する上でとても大切です。
<ブライダルローンは借りないこと>
また結婚にあたって、式やハネムーンのためのブライダルローンなどは絶対利用してはいけません。お金をかけなくても結婚式をすることはできます。工夫しましょう。旅行はお金が貯まってから行けばいいのです。これから子どもも産み育てたいということです。そのためにも、奨学金以外のすべての借金を返し終え、貯金をつくってから、出産、子育てにのぞんでください。
<オススメの本>
ようこさんには、私の以下の著書をお勧めします。結婚するまで、結婚してから、お金のことをどう考えて、どう管理し、どう使い、どう貯めていったらいいかを、わかりやすく解説しているので、必ずお役に立つと思います。彼と一緒に、ぜひご一読ください。
お金のことも、それ以外のことも、よい結婚準備ができますように。いろいろなことにプレッシャーを感じすぎないよう、心をゆったりと持ってください。
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