お金の基礎知識

2019年10月31日

老後資金の不安から ブームの不動産投資で大損する人たち

ブームの不動産投資でカモにされる人たち

将来や投資が不安で、まちがった判断をして、間違った投資にお金をつぎ込んでしまったり、詐欺にあったりする人が後を絶たない、と前回のコラムでお話しした。これに、最近加わっているのが、サラリーマン向けの不動産投資。あなたは大丈夫だろうか?私のところにも「不動産投資を始めたい」「勧誘されてこんな投資をしてしまったが、大丈夫だろうか」という相談が増えている。そして大丈夫でないケースが多い。

不動産投資そのものは悪くない。株式投資が悪くないのと同じだ。ところが「株式投資は値下がりリスクがあるから怖い」という人たちが、株式投資よりもはるかに高額の不動産を、警戒なく契約をしている。びっくりだ。

 

話を聴いてみると、営業マンのセールストークを鵜呑みにして、投資のリスクを認識していないケースが多い。株式投資は、株を買った日から価格の推移を見ることができる。値段が下がったらすぐわかる。心臓に悪い。しかし常に時価、その資産の現在価値がわかるという利点がある。

 

損をしていることに気がつきにくい不動産投資

不動産は価格がわかりにくい。不動産の価値を割り出す手法はいくつかあるが、ほとんどの人が何も知らないで、勧められた物件を勧められた価格で、疑うことなく買っている。1500万円の価値のものを2000万円で買っても、それを売ろうとするまでは、高く買いすぎたこと、買った時点ですでに数百万円の損をしていることに気がつかない。

株(の現物)で500万円の損をするのは、実は簡単じゃない。元手がないと損にならないからだ。1000万円で株式を買い、買った銘柄が半分まで下がったら500万円の損だ。

でも不動産は、価格2000万円、実際の価値1500万円の物件を、最近の不動産投資会社が勧める方法で買うと、損に全然気づかない。勧める方法とは、頭金ゼロ、諸費用分だけ、たとえば50万円の現金を払い込む方法だ。実は買った時にはもう550万円の損が出ていることになる。売却の費用を考えると600万円以上だ。でも、すぐには気づかない。

気づくのは、期待していた家賃が入らなくなった時、事情が変わって売りに出した時だ。そのときには、損は600万円からトータルで800万円、1000万円に膨らんでいるかもしれない。

不動産投資は、これほど大きなリスクを持っている。ところが、相談に来た人に話を聞くと、不動産投資会社は、投資の魅力、メリットだけを強調し、投資のリスクをほとんど話していない。営業マンは、研修を受けた通りに顧客に勧めており、本人も投資リスクを理解していないケースが多い。不動産投資は魅力的と信じ込んでいる。設立からまだ10年経っていない投資会社も多い。不動産の値上がりマーケットしか経験したことがない人たちが、リスクを認識せずに強気で売っている。

 

投資のリスクを十分に説明しない会社からは絶対に買わない

不動産投資に限ったことではなく、すべての投資に共通する大切なことをお話ししよう。

投資をするときに、いちばん大切なのは、どんなリスクがあるか、そのリスクによって、最悪どれくらいの額の損をすることになるか、をしっかり知ることだ。信頼できる会社、営業職員、アドバイザーは、そのリスクを十分に、何度も、確認して教えてくれる。もし、投資セミナーや営業トークで「リスクはほとんどありませんよ」という言葉を聴いたら、その場で、会場を出た方がいい。

不動産投資ってどんなものだろう、と興味本位で行ったセミナーの一ヶ月後には、不動産を買っていた、という人も少なくない。セミナーに参加するときは、個人情報を提供しない形が望ましい。

次回は、不動産投資会社がどのような不動産を、どのように売っていて、どのようなリスクがあるかの悪い例をお話ししよう。

「不動産投資を始めてみたい」と考えていたあなた。決して、焦ったり急いだりしないこと。自分の動機が、老後の不安からではないか確認しよう。不動産投資は数ヶ月、数年待っても、遅すぎることはない。学ばずに投資して良いことはない。最初にまぐれで利益が出ても、続けるうちに大損になることが多い。

投資を始めたいと思ったら、まず自分の動機に向き合おう。決して不安から投資を始めてはいけない。

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